屋久島は平成5年(1993年)12月に、白神山地と共にユネスコの世界自然遺産に登録されました。雄大な縄文杉をはじめ、島を覆う森林の迫力に圧倒されてしまいます。名作アニメ「もののけ姫」のモデルになったことでも知られています。ここが日本であることを忘れてしまうほど広大で神秘的な自然が溢れており、日本の観光地名所の1つでもあります。
そんな屋久島の自然観光は単なる、自然ツアーやアウトドアツアーに収まることなく、自然と観光そして屋久島の地域全体と、様々な視点から捉えた『エコツアー』の1つとして屋久島を訪れる人々に提供されています。
エコツアーはただ自然と触れ合うだけでなく、自然環境はもちろん遺跡などの歴史的遺産を通して、その地域の文化に関心を持ってもらうことを目的としています。エコツアーの一環として、自然保護活動が行わることもあります。難しく考えず「ゴミは持ち帰り、山や川を汚さない」ということを意識するだけでもエコツアーの目的達成のための十分な一歩なのです。
そんなエコツアーは『エコツーリズム』という概念の基に実践されているというのをご存知でしょうか。
エコツーリズムは環境省、日本エコツーリズム協会、日本自然保護協会などでその定義が提唱されています。「エコツーリズム推進法」という法律も存在し、日本ではエコツアーを行ううえでは欠かせない、土台となる考え方なのです。エコツーリズムの定義の具体的な中身については各所により多少の違いはありますが、簡単にまとめると次のようになります。
●自然環境・歴史文化を守ろう
●自然・文化を生かした観光産業を行おう
●自然・文化観光を通して地域の活性化をはかろう
●観光を通して訪れる人々に自然・文化に関心を持ってもらおう
これらの考えを永続的に行い、自然環境・歴史文化を保護し続けることで、当時の姿・面影を残したまま、現在、そして未来へと伝え続けることができるのです。